2007年 01月 05日

ジャックナイフ現象の原因

先日エントリした「自由ではいけないモノ」のコメントで質問を頂いたので、その返答としてのエントリです。普段は僕が伝えたい・皆が知りたいだろう内容を考えてエントリしてますが、この様に質問して頂けると、とてもありがたいですよ。

writebacks :: 自由ではいけないモノ

腕が悪いのか、カービング時にともすると「ジャックナイフ現象」を起こしてしまいます。無理な体重移動のせいでしょうか?

僕も以前よくそれで転んでました。恐らくリアボードより、フロントボードが雪面に刺ささる事での抵抗が大きくなって、急減速してしまっている状態だと思うんですが、原因と考えられる事が3つあります。

ハンドルの切り過ぎ

ハンドルを切り過ぎると、フロントボードがターンの弧より内側に向き、抵抗が起きます。更には先端が雪面に潜り込んでしまう場合もあります。コレの対策をいくつか紹介。

  • ハンドルは両手で切るのではなく、引手(ターン内側の手)でのみ行い、押手(この場合押さないが)は添える意識。
  • フロントボードのエッジ(接地)感をハンドルを通して感じる。
  • 「ハンドルを切る」のではなく「フロントボードを向ける」意識。

お試しあれ。

前荷重過ぎ

ボードに力が掛かれば抵抗も増えます。大きな意味ではボード全体に均等に力が掛かるのが最も抵抗を生みません。前過重すぎるとフロントボードばかりに抵抗が増えていまいます。基本姿勢を保ちバランスを感じてみましょう。

王座のひみつ #3」や「手放しで前後荷重と移動」あたりを参考にしてみてください。

リアボードのフロント側にしっかりと力が伝わり、そこの挙動を感じられるようになる事を目標の1つにしてみましょう。

ボード取り付けの調整

これは現時点でスノースクートの構造特性上しかたがない部分もあるのですが、ボードを取り付ける際に8ヵ所全てのネジを均等に締めてもボードの動き易さは均等にはなりません。それはボードの形状や取り付けネジの幅等が関係してきます。

フロント・リア共に同じブッシュ4つで支えられている訳ですから、それぞれの動き易さは力がどれだけ掛かるかで変わります。ボード全体に均等に力を掛けたとしても、フロント・リアとして別けると均等にはなりません。ボードが短かいフロントボードはければブッシュに掛かる力少ないので動き難く、ボードがいリアボードはくければ大きく動き易くなります。それを考慮しボードは作られていますが強度的な面で制約が出できます。その辺を改善するのが今後の改良課題です。

更にボードの面出しをする場合は、フレーム誤差を吸収する為にネジの締め具合を調整し、不均一になる場合が多いです。コレは個体差なのでどうなるかは判りませんし、全く同じモデルなのに乗り味が変わる原因でもあります。

つまり、前記の様な事がどうしても起きてしまうのでフロントボードは抵抗が大きく、リアボードは抵抗が少なくなってしまうのです。

若干話しが外れますが、僕はフロント・リアボードそれぞれの特性の差は実際に2つに別れている為、エッジ力や抵抗の違いの差が覿面に現れマイナス要素となっています。

しかし、それぞれの近い部分、つまりフロントボードのリア側とリアボードのフロント側の部分的な特性を近づけ、柔軟にし、フロント・リア合わせた全体の特性変化を緩やかにする事によってフロント・リアの一体感を生み、抵抗をより少なく出来ると思っています。

現在のボードアタッチメントではブッシュの硬さをフロントフロント:フロントリア:リアフロント:リアリア=硬:柔:柔:硬にする事でその状態に近づける事が出来ます。因みにコレは「図解!ちっく違い #1」あたりで述べている「スノーボードちっく」なパターンです。

それとも元々カービングがしづらいモデルなのでしょうか。

詳しくはそのモデルを乗ったことがない(最新モデルですし)ので判りません。

ボードはノーマルシェイプみたいですね。僕が今まで乗ったことのあるノーマルシェイプのボードは操作性が軽く扱い易い印象でした。TOOLATE解説を読むとオールラウンドのエントリーモデルとなっているので特にしにくいって事ではないと思います。ただし、高いレベルでは難しいでしょうね。その為にカービングに特化したカービングボードシェイプがあるのでしょうから。

そこで某ショップで「イージーターンキット」なる物を見つけました。これで腕の無さをカバーできるのか、あるいは逆にカトウ様のおっしゃる「自由」になってしまうのか。

ネーミングから技術を補い「簡単にターンができる」モノと推測します。問題はそのターンが求めているターンなのか?ですね。

カービングターンはある程度高い技術に感じますが速度域や状況により難易度は全く違います。全般的なスポーツ機材に対して言える事ですが、簡単にでき技術を補えるモノは、ある一定以上のレベルには耐えられません。誰でも運転し易いファミリーカーでシビアなスポーツ走行は危険であると言うと理解しやすいですかね?

ただし、そのレベルと言うのは個々の機材で様々だと思います。

技術がそのレベル未満であれば補えますし、既により高い技術を持っているのであればマイナス要素が増えるでしょう。

「自由」と誤解され易いモノが「遊び(結合部のゆとり)」です。制御の為の許容される「遊び」は必要だと思いますが、それを越える「自由」で制御できない範囲の動きは、マイナス要素になってしまいます。

操作が不的確で制御能力の低いライダーであればあるほど「遊び」の大きい方がそれらを補う事が出来る場合が多いです。しかし、それの「遊び」を越えてしまうと「自由」になってしまいます。つまり、ライダーの技術力により「自由」になるのかが決まります。

下手なアイテムを使用せずにノーマルのままで使用するのが本道でしょうか。

僕はノーマルの使用が本道と全く思いません。

パーツを交換したり、機材に手を入れてチューンアップするのもスノースクートの楽しみ方の一つであると思いますし、ノーマルでは補えないライダーに合わせたセッティング等は本道に適ったモノであると思います。

ただ、チューンアップしたモノやセッティングに対して「対応しつつ自分に適さない」のと「対応出来なく扱いにくい」事が判断つかず、人の話や流行に流されコロコロ変わるのは大嫌いです。兎に角、自分の感覚は信じましょう。この辺の話はまた後日エントリしたいと思います。

久々に長文になってしまいました。最後まで読んでくれた方ありがとうございます。

Posted at 06:09 in /snowscoot /technic | Permalink | WriteBacks (9) Edit



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スノースクートライダーなカトウヤスヒロ

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