2005年 05月 16日

「フェーキー戻り」解説

多くの人はハンドル切ってフロントボードをザクッて刺してクルンとかピョーンって戻る事かと思っていらっしゃる様ですが、ザァーってスライドしながら戻るのも「フェーキー戻り」ですよね。

ピョーンってイキナリやりたい気持ちは重々解りますが、そうそう出来ません。
段階を踏んで練習しましょう。ダイタイ3段階です。

  1. ザァー
  2. クルン
  3. ピョーン
それぞれ解説しますね。

共通のポイント

この3つの動きは基本的に同じ事です。スピードや動作の加減が異なるだけ。
だから、先ずは共通点を説明。

回転軸の意識
軸は体とスノースクートを通り、回り方により位置は異なるが、回転中は動かさない。これらをイメージし意識する。
フォームと使用エッジの意識
イメージした回転軸に重心がくる様にフォームを構え、回転方向と逆側のエッジを意識しコントロールする。
切っ掛けと待ち
最初の動作で回転の切っ掛けを作り、後は慣性だけで回り切るのを待つ。バランスが取れた軸のあるヤジロベエやコマを最初に回すと後は慣性で回り続けるイメージ。

ザァー

スライドしながらゆっくり戻る感じ。

回転と言うよりはターンの延長、だから基本はフェーキーから。前に滑っているのと一緒。

フェーキー入りやG360の場合、ハンドルを回転方向に切って、切っ掛けを作ると回転し始めますね。しないでターンになってしまうのはエッジの掛かりが強くてテールがずれないから。

同じ様にフェーキー戻りの場合、ハンドルを切り回転し始めたら切っ掛けは終わり、後はその勢いが止まらない様に、エッジコントロールをし前を向いたら完了。

ダイタイ上手くいかない人は必要以上に内傾してエッジが立っているか、しっかり内足荷重が出来ていないので回らない。思い通り戻らない内は待ちが怖いですよね。緩斜面で人がいない安全な場所で待ちの練習をしてみましょう。

クルン

スライドしながら勢いよく戻る感じ。

フロントボードの逆エッジを利用して回転の切っ掛けを作ります。ハンドルを回転方向とは逆に思い切り切り、フロントボードを雪面に突き刺す。するとフロントボードが雪から抜け出す為に回転方向に回りだす。コレが最大のポイントですね。

勘違いしないで欲しいのは回転力は逆エッジの力のみ。ライダーは一切、引っ張ったり、捻ったり、体では回さない。引っ張るとボードの刺さる力が弱くなってしまいます。

後は、軸を意識して待つのみ。でも、勢いあるのでアッと言うまです。

フェーキー戻りの写真を見てもらえれば解りますが、ハンドル切っている時は腿に当たる位思い切り切ってますね。でも、体は基本のフォームのまま動かない。
回転している時も引っ張らず、軸を意識して真っ直ぐです。ここで軸が移動してしまうとエッジがスッポ抜けたり逆エッジでヤラレます。

フロントボードが浮いてマニュアル状態で戻るのも、浮かないで戻るのもココまでは一緒。違いは軸を何処にするかです。基本の通り真ん中にあれば浮かないし、マニュアルの様にテールを通れば浮くのです。

ピョーン

飛びながら戻る感じ。

クルンとの違いは飛ぶか飛ばないかだけ。飛ぶのはバニーホップではなく、ポゴ。真ん中に軸を作って抜重するだけです。

それはナゼか?雪面からフロントボードが抜ける時に横方向だけでなく上方向にも力が掛かります。それを有効利用するからですね。

抜重のタイミングはハンドルを切る時ではなく、ボードが掛かった時。微妙ですが結果は大きな違い。前者では引っ張った時と同じ様に力が抜けちゃいます。

軸を中心でなく後にするとマニュアル状態で戻ってしまうので要注意です。更にコレを高速でやるとフロントが浮いた後にテールも浮きます。失敗してこうなってしまう場合も多いですが、浮いた後前に重心移動出来ればバニーホップ状態で戻れます。リスキーなので気を付けて。

回転のスピードとフォームの関係

フォームにより回転のスピードをコントロールできます。

フィギュアスケート でクルクル回っているのを思い浮かべてください。回転軸から手足を広げるとゆっくりだし、体に近づけると速くなる。
同じ原理です。体とスノースクートを離して大きなフォームを取るとゆっくり回り、近づけてコンパクトななフォームを取ると速くなります。

僕は「フィギュアスケートの原理」とか言ってますが、本当はモーメントとか言うらしいです。
体験したい人は回転椅子に座って手足を曲げ伸ばしながら回ってください。もれなく目が回ります。

まとめ

動作は自体はいたってシンプル。段階踏んで少しずつ練習すれば必ず出来ます。この基本の3段階以外でも微妙な操作の違いで出来る動きはイッパイある。基本がが出来ない内はいくら説明してもそれらは出来ない。でも、基本さえ出来ればそれらは勝手に出来る様になる。そんなもん。

追記

文章だけじゃイメージし難い。映像も参考にどうぞ。

Posted at 18:23 in /snowscoot /technic | Permalink | WriteBacks (0) Edit



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